生徒さんが椅子に座らない…!!
時間がどんどん過ぎていく…どよう!!
そんな経験ないでしょうか?
私は音楽教室に勤務していた時に多々ありました。
様々な立場から悩んでいる方へ、年少〜小学2年生あたりまでの対象ですが、その時の「私の解決法・座らない事についての考え」を綴ろうと思います。
この記事を最後まで読んでいただければ、座らない子どもに対しての対応が身につくと思います。
前提として、幼い子に対しての私のレッスンへの思いはとにかくレッスン時間を楽しく過ごしてほしいです。そちらを踏まえて閲覧の方よろしくお願いします♪
レッスン中、椅子に座らない*対象:年少〜小学2年生あたり
一生懸命頑張るのに、生徒さんのテンションに振り回される…
思うようにレッスン出来ずに、当時はかなり落ち込みました。
限られたレッスン時間の中、お月謝を頂いている講師としてはピアノの椅子どころか机の椅子にすら座らない…「思うようにレッスン出来ない」なんて事は、とても焦ります。
特に通い始めや幼いうちは親さんが一緒にレッスンをされるパターンが多いので、親さんの目線も気になります。
楽しいレッスンになるはずが、終了時には無駄な疲労感と罪悪感が…
楽しいハズのレッスンを上手くこなせない自分を責める日々でした。
そもそも座る必要があるのか?
色々試したり失敗していく中である日、座らないといけないのか?と疑問に思うようになりました。
音楽・ピアノのレッスンに来ているのであって、座る練習に来ているわけではない。
楽しいレッスンで楽しくピアノに触れ合ってもらいたい!!
キチンとしたレッスンをしないと…と、焦るあまり、自分が目指すレッスンスタイルを忘れてしまっていました。
これに気付けた事によって自分のやり方を見直し、工夫
自分のやりたい事を押し付けるのではなく、生徒さんをよく見て(特に目線)今なら何が出来るのか・何が適正なのか
判断できるようになりました。
【座ない理由①】頭を使う事に慣れていない
生徒さんを観察していくうちに見えてきた原因は
慣れていない為頭を使うのが疲れるので弾くのが嫌→逃げる
使っている教材によって変わってくると思いますが、ピアノを弾くのはものすごく頭を使います。
幼い初心者にとったら「楽譜を見て・音を読んで・考えて・鍵盤の位置を見て・正しく弾こう!」なんて苦痛です。
なので弾くのが嫌で逃げまわります。
【座れない理由①】解決方法《4つのポイント》
ピアノ教材に取り掛かるタイミングをよく狙い、知らない間に教材を弾かせる
そもそも座るのに時間がかかるから、早めに取り掛かろう…!
と、最初からピアノを弾く事に取り組んでしまうと、逃げたり座らなかったりとダラダラしてしまいます。
ポイント❶ピアノに触れる前に
まずはリズムをやる、ドリルをやる。
ピアノに触れる前に他のレッスンをして、生徒さんのテンションを見極めていきます。
上機嫌になった所でピアノに誘います。
その子の得意なことから始めて自信を持たせ、徐々にテンションを上げていきます。
ポイント❷ピアノに触れる時
上機嫌だ!今いける!!と思い、突然「じゃあピアノ弾こう!」はNG。
さりげなく弾かせるのがポイントになるので、シールやグッズを使って鍵盤を触るように誘導します。
教材に触れていないようで実は教材の音を弾かせる。
といった形でピアノを触らせます。
ポイント❸椅子に座るとき
テンションがピアノに向いた時が勝負。
苦手意識だった教材がもう弾けていた事を褒めながら椅子に座らせる。
これが1番効果的でした。
ポイント❹椅子から降りてしまう時
しかし、ピアノの練習が始められた!!と喜ぶのも束の間
最初は座っていられるのは大体5分くらいでした。
集中力がない。
これも子どもにとったら通常運転で普通でした。
無理に押さえつけたり縛ろうとすると反発から機嫌が悪くなってしまうので、ある程度引き留めてもダメそうだったらピアノから離します。
その場合、今までのやり方をまた試してピアノに触れていきます。
ここまで出来る&何度も繰り返していくと、その子の特徴や興味の引き方がわかってきます。
生徒さんの性格をよく理解し、どこまで集中している時間を伸ばせられるかが先生の腕の見せ所になってくると思います。
【座れない理由②】落ち着きがない
椅子に座らないだけで大人しい生徒さんも見えれば、机の下に潜り込んだり・走り回ったりと活発な生徒さんも見えます。
【座れない理由②】解決方法《カギはリトミック》
机の下に潜って出てこないなら、そこでレッスンを始めてしまいます。
机の下にもぐるなら、机の下でドリルやリズム
もちろん理想は机でドリル・リズム。ピアノはしっかり姿勢良く、椅子に座ってです。
しかし今回はそれらが出来ない子の対策なので、講師の理想のレッスンをさせる為に時間を使うくらいなら、どこででもレッスンを始めて良いと思います。
椅子に座らせる為のレッスンではないです。
机の下から出てきて走り出したなら
リトミックを取り入れる
例えば…
①走り出したら講師がピアノで何か曲を弾き始める
②音がなくなったら止まるよう指示する
③曲再開でまた走る
④つぎはピアノにタッチ!!もしくは椅子に座る!!
リトミックで座る方向に誘導していきます。
講師・親さんの新たな不安
ここまでの事を発見・実践・理解したが、いくら楽しくレッスンとはいえこの状況がいつまで続くのか…とここで更に不安が芽生えました。
楽しくレッスンは出来ていても、いつになったら落ち着いてくれるのか…
不安になると思いますが
今はそれが通常運転だと思い、焦らずにドーンと構える
私の経験上、小学3年生ぐらいから突然落ち着き始める子が多かったです。
先週まで暴れまわってた生徒さん自ら「今日はこれからやる。」と言ってピアノ教材を広げて弾いてみたり
別人のようでビックリしました。
園に行ったり学校に通うようになったり。
社会生活をおくる中で生徒さん自身が色々な経験を積み重ね、自然と落ち着くようになりました。
小学3年生あたりになってもふざけてしまう子に対しては、そろそろビシッと言っていました。
「もうそんな我儘言っとったらあかん。○○ちゃんの事大好きやでもっともっと上手になって欲しいと思ってレッスンしてるから、話よく聞いて一緒に練習して欲しい」
見放さずに諦めずに、生徒さんに寄り添ってレッスンしてきていたので信頼関係が生まれ、だんだんこちらの言う事を理解・承諾してくれるようになっていました。
【座れない理由③】親さんから離れない
甘えていい人が同じ空間に居ると、そちらに流れてダラダラしてしまいます。
【座れない理由③】解決方法《親さんもレッスンを楽しむ》
親さんに思い切って送迎だけにしてもらう
どうしても親さんがいないと部屋にすら居られないという子以外は、親さんが同じ空間に居ない方がスムーズに進みました。
全ての子に言えるわけではないですが、案外けろっとしているので帰っていただく事がおすすめですが、その場合講師に話術が必要になります。
安心させてあげられるように、よく観察して会話が途切れないようにしたり、興味のある事を引き出して盛り上げてあげてください。
どうしても親さんに部屋にいてもらわないといけない
しかし親さんから離れられない場合は
親さんごと椅子に座ってもらう
せっかくなのでレッスンに参加してもらうと良かったです。
親さんに先に弾いてもらい、弾いたところを生徒さんに弾いてもらう
「次は1人で弾けるかな?」
「弾いてるのかっこいい!!親さんに見せてあげよう!!」
など、声をかけ続けて最終的に1人で弾く・座る方向に誘導していきます。
講師がレッスン出来ていない…と感じる時は親さんも感じています。大人の焦りが子どもに伝わるくらいなら、大好きな親さんを巻き込んで皆んなで楽しい気持ちを伝えましょう♪
失敗だったと思う対応の仕方
レッスンの時間なんだから真面目に座ってやりなさい。と叱る
座る練習に来ているわけではないので、座らない事に対しては叱るのはNGだと思います。
本当にダメな危険な行動の事は叱ります。
机、椅子の上に立つ。怒って物を投げる。勝手に教室から出て行こうとする。など
これはしっかり叱っていました。
抱っこして無理やり椅子に座らせる
とにかく機嫌との勝負なので無理やりは基本的にNGです。
すぐ逃げられ意味がない上に、お互いのストレスが高まります。
準備しておいて良かったと思った事
リトミックの勉強
座らせる事自体にに拘らずピアノレッスン出来るようになったのは、リトミックを勉強&園にいってリトミック活動をしていたからだと思います。
自分のボキャブラリーが増えたり楽しくレッスンをする種にもなると思うので、リトミックの勉強はとてもオススメです。
手作りグッズの作成
手作りというだけで生徒さんが愛着をもってくれたり大切にしたり、興味を持ってくれます。
イラストカード・音符カード・リトミックで運動カード(どんな動きをするのか選んでもらう)など
おわりに
私は導入期〜本人が落ち着くまでは、とにかく楽しくレッスンしたいと思っています。
理由はピアノを嫌いになって欲しくないからです。
退社後担当してくださった先生が素晴らしかったのは勿論ですが、私が途中でピアノを嫌いにさせてしまっていたら、難曲を努力で仕上げる気力をつける事はなかったと思います。
他にもピアノを嫌いにならず続けてくれていたからこその、素敵な感動は沢山ありました。
私を信頼してついてきてくれた生徒さん・見守ってくださった親さん方のおかげで、沢山の経験をさせて頂けました。
今はどんな子が居ても、皆さんのおかげで自信を持ってレッスンできています。
もし同じ悩みでレッスンが楽しく出来ていなかったり、仕事に行き詰まっている方が見えたら、是非参考にしてみてください。
拙い文でしたが、最後まで閲覧ありがとうございました!
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