クリスマスの小屋
再話:ルース・ソーヤ
訳:上條由美子
画:岸野衣里子
出版:福音館
誰のために買ったか?
クリスマス。
世間の雰囲気や季節にあった音楽を楽しむのは大好きですが、個人的に無宗教なのに、謎にワクワク&クリスマス=プレゼントがもらえる日、という認識に若干違和感を抱きながら生きてきました。
そんな中、世間ではよく言われる「悪い事してるとor言うこと聞かないと、サンタさん来ないよ!!」という事が嫌いで、クリスマスに対して子どもに割と現実的な意見しか伝えてこなかった我が家。
「サンタさん来るかな!?」に対して、「うちには来ない。」
そのかわり
「今年1年間、何か頑張ったと思えるなら、自分へのご褒美に一緒にプレゼントを買いに行こう。夜中にサンタさんから、【よく頑張ったね!】とOKが出たら、朝プレゼント置いておくね!」
園などの社会生活の上で、我が家のサンタ完全否定説が幼少期の壁になっては可哀想と思い、なんとなく濁してきました。
子どもが成長していくにつれサンタ関係の話に触れる機会が増えたので、少しファンタジーなワクワク感も抱いて欲しいと思うようになった為、購入。
読んでみて
- 小学校中学年から読める本
- 漢字に振り仮名がない所がある
- 文面(言葉の言い回し)が幼い子には難しい
- 読み物なので挿絵のみ
本自体に小学校中学年からと書かれているように、さすがにうちの年中の娘には難しかったです。
「登場人物オーナのようになりたい」
綺麗な物語の一部な存在の彼女ではなく、作中の感情の表現などから本当に居そうな女性だと感じました。
「綺麗なお話だったねー」で終わらず
「どんな時でも前向きで芯を強く、優しい心の彼女みたいになりたいよね」と、自然に思えたお話でした。
「何事も諦めずに芯を持ってやり通すんだ!!」とガチガチに意気込みすぎると自分の首を締めかねないですが、この本はあくまでもアイルランドの童話のような感じ。
なので、目標は同じでもその気持ちの持ち方を物語から得ることによって緩く保つことが出来ると思いました。
娘5歳への読み聞かせ方
寝る前にキリのいい所まで読み聞かせ
読み物なので絵が少ない分、文字を読み上げているときは、空中を見つめて想像力をフル回転させていました。
その様が面白く、親として子どもの新しい一面の発見になりました。
難しい言葉はその都度かみ砕く
伏線の説明ではなくストーリーを楽しむために、素敵な言葉の言い回しの時には軽く説明をして、物語に集中してもらいました。
聞いた事のない言葉にとても興味を示していたので、意味がわからず進むよりかは感動も発見も広がり、良かったなと思います。
絵が少なくても娘は飽きる事なく、「オーナどーなるんやろ…大丈夫かな?」とドキドキしながら寝る日々で、とても楽しめました。
1番のおすすめポイント
現実的で人間くさい話なのに、最終的にファンタジー
綺麗で夢だけがある完全なファンタジーではなく、少し濁ったような感情や人ならば誰もが抱くような感情も描かれています。
それなのに、終わるときにはふわっとファンタジーに包まれる。
現実的なのに非現実的で、大人の私でも「本当にありそう…」と思えたお話でした。
子どもの為と買ったのに、現実ばかり見ていた私に「夢を見る気持ちのワクワク感」を思い出させてくれた1冊になりました。
今年から親子で、オーナと妖精達を想うのが楽しみになりました♪
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